【4/30更新】己の直感ほど信用できないものはない。山崎文庫の日誌 2021年4月

東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)

4/6(火)
己の直感ほど信用できないものはない。46年生きてきて、人間関係でもモノでも、これぞ本物だ!絶対だ!運命だ!永遠だ!なーんて幾度感じたことか。が、大概翻意した。破局や幻滅に際し、モノや相手を貶し、逆に己を責めた。また、時間が経つと、モノへの熱狂や相手との蜜月を神話化(美化)し、逆に黒歴史化した。馬鹿馬鹿しい限りである。とはいえ何にもしがみつかず生きていけるわけもない。今は世界絶望教に入信しているようなもんだ!「どんな絶望者も、絶望してる己れだけは愛している」(那珂太郎「径」より)その通り。というわけで本日、山崎文庫は移転1周年を迎えました。皆様、2度の糞緊急事態宣言にもかかわらず、変わらぬご愛顧賜りまして心より感謝申し上げます。今後とも宜しくお願い致します。
五味さん、横木さん、初沢くん、インベさんの展示、今週金曜までです。呑んだくれてお待ちしておりまーす!

4/9(金)
吉川浩満さんの『理不尽な進化』が文庫化された。本書の要諦はこうだ。いま己が絶滅せず生存しているのはなぜか。優れた遺伝子のためか、たまたま運が良かっただけか。実力か偶然か。偶然も実力のうちか、実力など偶然の事後的合理化にすぎないか。いずれかに還元すると見失われるものがある。理不尽さだ。人間世界にとって本来この理不尽さこそ無限に豊穣なものである。しかし、この理不尽さに向き合うことは至難である。向き合いすぎると、理不尽さの神格化(否定神学化)あるいは発狂、自死へ向かう。だからと言って理不尽さを忘却、滅却し続けてよいのか。理不尽から逃走してばかりでいいのか!
コロナ禍で野蛮かつ無責任な断言(還元主義)が蔓延る今日、専門家も一般人も皆、本書を己の身に引きつけて読み(苦痛を伴う)この世の理不尽さを幾許かでも想起すべきではないか!
というわけで、山崎文庫では本日より、著者吉川さんのサイン本を販売しております!皆さん、ぜひ、本書をお読みいただき、コロナではなく、バカコロナ脳のまんえんを防止しようではありませんか!さあ、文庫版付録読みながら呑むぞー。吉川さんにカンパーイ!
横木さん、五味さん、初沢くん、インベさんの展示も今日明日でおしまいです。お待ちしております。

4/18(日)
小室圭は他人に借りた金をもらったと言い張る、卑劣な〝借りパク〟野郎である。しかし、貸したおっさんもおっさんである。貧窮する小室母子を小銭とモノで釣り、散々家族ごっこを楽しんだ挙句(小室母子は対価を払ったともいえる)金返せとはせこいにもほどがある。まあ、小室母子もおっさんも分不相応な浪費家気質で病的な優越願望の塊、似たモノ同士である。小室は眞子と結婚し、一時金をもらって、おっさんに解決金を支払い、滑稽なハッピーエンドでいいのではないか!なーんて天皇制打倒論者(もしかして意図せずして小室母子も⁉️)の日曜放言でした!
皆様、明日から小杉ともこ写真展です!お待ちしてまーす!

4/24(土)
今こそジジェクのイデオロギー論が重要ではないか!要請を素直に受け止める者と要請を嘲笑う者の対立はまやかしにすぎない。仮面の背後に真理はない。重要なのは仮面である。要請に従うか、従わないか、これが真の対立である。小池や菅や西村をどれだけ罵倒しようが、要請に従うなら(従うふりをするなら)所詮奴らの奴隷である。山崎文庫は断固要請を拒否するぞ!緊急事態宣言下でも通常通り営業致します。酒も出します!電気も煌々とつけます!さあ、呑むぞー!
皆様、小杉朋子写真展「夢うつつ、煉瓦色」開催中です。お待ちしてまーす!
また吉川浩満さんのサイン入り文庫版『理不尽な進化』も好評販売中です。

4/26(月)
緊急事態宣言で酒類を提供する飲食店に休業要請が出た。酒類を提供しなければ時短要請だ。ふざけるな!ばかばかしいにも程があるわ!さすがに今回は多くの飲食店も反旗を翻すだろう、と期待した。が、休日の昨夜、街を歩くと素直に休業か、開店していても杓子定規に酒は出せないという。激烈な怒りが込み上げてきた。小池も菅もマスコミも愚劣だが、飲食業界一般も愚劣である。というわけで憂さ晴らしランチに数少ない抵抗者、グローバルダイニングへ!皆様、山崎文庫は通常営業、酒類もガンガン提供致します。宜しくお願い申し上げます。

4/29(木)
「家を持ってから四十年、晩酌の添わぬ食事をした日が合わせて幾十日あるか、下戸の人の夕食は毎日こんなに早くすんで了うものか、と手持ち無沙汰ながらに考えた。」
最晩年、胃潰瘍で入院した永井龍男による身辺雑記「谷戸からの通信」の一節である。酒を呑まない中学時代に読んでから、ずっと頭に残っていた。酒を飲むようになってから、手術や怪我で酒のない食事を余儀なくされる度、この一節がしみじみ思い出された。酒のない食事ほど味気ないものはない。絶望的な気分になる。今回、酒類の提供が悪とされ、多くの飲食店が休業か酒類の提供を自粛している。最悪だ‼️最悪すぎる‼️皆様、酒の呑める飲食店情報をお願いします!
山崎文庫のゴールデンウィークの営業予定です。
4.3017時〜26時
5. 1 17時〜24時
5. 2定休日
5. 317時〜24時
5. 417時〜24時
5. 517時〜24時
5. 617時〜26時
5. 717時〜26時
小杉さんの写真展開催中、吉川さんのサイン入り文庫版「理不尽な進化」販売中です。宜しくお願い致します。

■先月

【3/28更新】菜食主義に熱狂しているホステスが肉好きの客と来た。喧嘩になった。山崎文庫の日誌 2021年3月

■次月

酒は呑んでも呑まれるな、なんて言葉がある。バカ野郎! 山崎文庫の日誌 2021年5月


山崎文庫
〒107-0052
東京都港区赤坂6-13-6 赤坂キャステール
Facebook