酒は呑んでも呑まれるな、なんて言葉がある。バカ野郎! 山崎文庫の日誌 2021年5月

東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)

5/12(水)
生半可でも理解した抽象的で難解な理論を己自身が直面する現実的課題に敷衍、演繹するのは容易でない。高名な学者、評論家は高尚なスコラ詳論、華麗な言語遊戯を展開し、愉悦に浸るのがおちである。彼らに状況論的な見解を求めたら大概体制的、保守的、通俗的な体たらくを露呈するほかない。無惨である。彼らは所詮安全圏において、卑近で瑣末な事例から抽象論を理解しているにすぎないからだ!例えば鏡の前のりんごと鏡の中のりんご云々。ジジェクがどこかで語っていた。我々の理論的な理解がいかに具体的な例示に依存しているか。理解してから例示ではなく、例示によってはじめて理解が成立するのだ、と。巷に平和ボケした柔な書物が蔓延る中、『理不尽な進化』は俗世間、「日常生活の重要問題」を理論的に考えさせてくれる稀少で苛烈な革命的書物である。皆様、サイン入り文庫版「理不尽な進化」(秀逸極まる付録付き)好評販売中です!
緊急事態宣言下、山崎文庫は通常営業しております。小杉さんの写真展開催中。お待ちしてまーす。酔っ払い写真は初沢くん撮影。タバコを吸ってるわけではありません!(でも山崎文庫は全面喫煙可‼️)

5/16(日)
酒は呑んでも呑まれるな、なんて言葉がある。バカ野郎!酒は酒に呑まれるために、呑み潰されるために呑むのが本来的である。最近、禁酒が要請されて、ノンアルビールやノンアルカクテルがバカ売れだと聞く。同じくふざけた話だ。そもそも酒は酔うために呑むものである。酔ってこの世の儚さ、人生の生き苦しさ、根源的な退屈さから逃亡するために呑むのである。アルコールや偽アルコールを呑むこと自体、ほろ酔い気分を目的化するなんぞ言語道断、これぞまさに手段を目的化する修正主義の論理である。とまあ酔っ払いの日曜放言でした!
皆様、山崎文庫は明日からも通常営業、小杉さんの写真展開催中、残り僅か、吉川浩満さんサイン入り『理不尽な進化』好評販売中です。呑んだくれてお待ちしてまーす!写真は昼間パラパラ読み返した田村隆一の朝から晩までひたすらウィスキー呑みまくりインド旅行記。

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