【4/29更新】己がいかに時空の制約を受けているか、どれほど注意してもしすぎることはない!山崎文庫の日誌 2022年4月

東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)

4/11(月)
ロシアは独裁国家で、言論統制が行われており、ロシア民衆はプーチンに洗脳されているとよく耳にする。しかし、我々西側の人間こそ隠然と言論統制されており、洗脳されている、と自覚すべきではないか。
己がいかに時空の制約を受けているか、どれほど注意してもしすぎることはない!
ウクライナの歴史も知らず、ゼレンスキーの思想信条や政策も知らず、先験的に親ゼレンスキー、親ウクライナ、反プーチン、反ロシアを主張するのはあまりに安易である。我々は米帝がいかに狡猾かつ卑劣な工作を行っているか、想像力を働かせることもできないほど洗脳されているのである。反ゼレンスキー、反ウクライナ情報や主張はすべてフェイク、親露プロパガンダ、陰謀論として退けるよう促されているのだから(オリバーストーンすら)。多くの日本の知識人は米帝に工作されたプラットホームそのもの、プロブレマティックそのものにまるで疑義を抱くことができない。大前提を共有して瑣末な対立に終始するだけである。まさに絶望的だ!!というわけで呑むしかない。
皆様、サイトウマサマツ展、今週土曜日までとなりました!ぜひお運びください。お待ちしておりまーす。
また、森綾さんの短編集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』も販売しております。

4/14(木)
ウクライナ問題について、一方的な側からの意見を聞くだけでいいのか、我々は安易に悪を存在させて安心していないか、と至極真っ当な問いを投げかけた映画監督が袋叩きである。リベラルも保守もこの問いがどっちもどっち論、喧嘩両成敗論、相対化病、日本的曖昧さ、へ逃げ込んで、〝悪〟を隠然と肯定していると非難轟々だ。しかし、彼女はロシアが悪なら我々も悪だ、と否定的に諦観、達観しているわけではない。ただ、己が浴びている情報そのものを疑うべきではないか。米帝の安易な勧善懲悪物語に反射反応すべきではない、というのである。これを逃亡、無責任、絶対悪の肯定だと排斥するのは、まさに野蛮人の論理である。全体主義の論理である。無論、我々日本人は米帝の奴隷である。よって、ウクライナに口先だけ賛成しようが、反対しようが、物質的基盤は同じである。一億総反ロシア、親ウクライナだ。しかし、先験的に、無条件的にそうであっていいのか、せめてこの状況に疑義を持つべきではないのか。私は河瀬直美監督の問いかけを全面的に支持したい。
なーんて米帝庇護下、モラトリアム酔人の虚しい木曜放言でした。
皆様、サイトウマサミツさんのスケッチ、ドローイング展、今週土曜までです。お待ちしてまーす!
初沢君の林忠彦賞受賞写真集、森綾さんの処女短編集も販売しております。

4/29(金)
反体制、反権力を気取るポンコツ作家島田雅彦が天皇から勲章を嬉々としてもらうニュースを見た。それでいて、彼はこれからも自粛や忖度せず、表現の自由を死守すると豪語した。ばかばかしいにもほどがあるわ!!!天皇ヒロヒトの戦争責任も追及できないで、反体制も反権力もへったくれもあるか!!死ぬまでこのポンコツ作家は反権力、反体制ごっこして、自己陶酔をやめないだろう。
オナニー駄文を綴り続けるだろう!あー、ばかばかしい!!あの世で奥崎謙三が憤激しているに違いない。とまあ、最近最も腹立たしい件でした。
皆さま、ゴールデンウィークも山崎文庫は通常営業致します。北島朗さんの写真展、5月7日まで開催しております。お待ちしてます‼️

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