【11/6更新】精興社書体が好きだ。若い頃、ちくま日本文学全集に挑んだ際、開眼した。山崎文庫の日誌2021年10月

東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)

10/4(月)
大学時代から27年、初沢君と対立してきたことがある。剛毛がいいかパイパンがいいか、だ。初沢君は前者、私は後者である。最近は脱毛が普及して、後者が主流派となった。さて、この度、少数派となった初沢君も楽しめる、写真家舞山秀一さんのカッコいいヌード写真展を開催致します。
10.4(月)〜10.23(土)皆様、お待ちしてまーす!

10/8(金)
剛毛派の初沢君対パイパン派の私、先日の投稿に意外と反響があった。剛毛は男性支配への抵抗であり、剃毛は男性支配への屈服である。前者は不衛生で後者は衛生的である。前者は進化に忠実であり、後者は反進化的である。(進化の過程で体毛は消失した。が、陰毛は残った。陰毛の汗腺からはフェロモンがでている仮説)等々。
まあいずれにせよ、初沢君は剛毛にしか、私はパイパンにしか欲情しないのだから仕方がない。いや、はたまた認識の変容が性的嗜好を変化させるのか?初沢君がパイパン派に、私が剛毛派に改宗できるのか?
なーんてくだらない金曜放言でした!さあ、今夜も舞山さんのパイパン写真見ながら呑むぞー!
皆さま、舞山秀一さんのヌード写真展開催中(10.4〜10.23)です。お待ちしてます。

10/9(土)
精興社書体が好きだ。若い頃、ちくま日本文学全集に挑んだ際、開眼した。退屈な上林暁集を三段組で読んだ時だ。あのしなやかで滑らかな、凛とした書体でなければ到底読み通せなかった。書体なんかどうでもいい、本は中身が大事だ、という意見もわかる。が、どうしてもこの本は精興社で読みたい。精興社書体でこそ味わい深い、そんな本が幾つかある。池内紀訳のシュニッツラー『夢小説・闇への逃走』とか『ノルウェイの森』とか。なかでも私が一番文庫化されて失望したのはこれだ。単行本は精興社なのに、文庫では別の印刷会社である。私にとって永遠のアイドル、柄谷行人『探究Ⅱ』Amazonで古本買って平積みしてみました‼️今夜はこれ読みながら呑むぞー‼️

10/17(日)
柄谷行人はモノローグ(オナニー、自己内対話)とダイアローグ(他者との緊張関係)を峻別した。今ほどこの峻別が重要性を帯びた時代はない。SNSの発達により、エコーチェンバー現象が激化した。気に入らないやつがいれば即座に、削除、ミュート、ブロックすればいい。その結果、其処彼処にプチ宗教的なモノローグ(共同体)が蔓延るに至った。
ミラン・クンデラは『存在の耐えられない軽さ』で承認を4つのカテゴリーに峻別した。
第1は無名の、無数の他者による承認
第2は知人や友人による承認(共同体)
第3は愛による承認(恋愛)
第4は想像上、理念上の他者や死者による承認(宗教、祖先崇拝)
クンデラは第4カテゴリーについて「夢見る人々」と語っている。しかし、今やあらゆるカテゴリーがモノローグと化し、ダイアローグの緊張感を喪失した。「夢見る人々」だらけとなった。そう言う私もご多分に漏れない。気に入らない奴がいたら、即ブロック!罵倒!排除である。こんなことでいいのかよ!!さあ、今こそ他者に向き合い、ダイアローグを‼️(夢から醒めたら絶望という夢、、、)なーんて日曜放言でした。皆さま、舞山さんの写真展来週23日土曜まで開催中です。呑んだくれてお待ちしてまーす!

10/19(火)
若者よ、投票しろ、しかも野党に投票しろ、自民党に投票するな、と強要する芥川賞作家平野啓一郎が大嫌いだ!
こいつは一体何様のつもりか。日本は任意投票制である。投票は権利であって断じて義務ではない。そんなに投票させたかったらまずは義務投票制を成立させてみろ!
若者はこんなポンコツ作家に投票や投票先を強制される謂れはない‼️うるせー平野、黙ってろ‼️さあ呑むぞー!
皆さま、舞山さんの写真展今週土曜までです。お待ちしてまーす!

10/29(金)
コロナ禍が終わろうとしている。私は一貫して反小池、反自粛、反マスク、反ワクチンを主張、実践してきた。だから、なんだか拍子抜けした。まさにコロナロスである。あまりにもコロナ禍に馴れすぎた。文句を言いながら自然とコロナ禍に、自分以外の自粛世界に順応していた。時短営業、カラオケなし、酒なし、手指衛生、換気、ソーシャルディスタンス等々。決して反自粛のヒロイズムに酔っていたわけではない。が、自粛世界を勝手に憐れんでいた。それが元通りになると居心地が悪い。まさに、これこそ芥川の言う「傍観者の利己主義」である。私はコロナ禍よ永遠に、と願っていたのかもしれない。なーんて解除後初の金曜放言でした!
皆さま、来週からエッチなフクサコアヤコ写真展開催します!お待ちしてまーす。

10/31(日)
松田聖子のベストアルバムを買ってきた。子供の頃、明菜の方が好きだった。決して聖子ファンではなかった。でもCMや街中で浴びるように聞かされていたんだろう。38曲もあるのに知らない歌がひとつもない。ただ懐かしいだけではない。一曲一曲逐一心に染みる。複雑な感情が錯綜する。一体なんなんだ、これは⁉️
松田聖子の偉大さを改めて思い知る今日この頃!山崎文庫では明日から松田聖子一本でいきます!!
明日11月1日から30日まで
フクサコアヤコ写真展『妄想文庫』開催です。お待ちしてまーす。

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【10/2更新】何の理由もなく不安で、ふさぎ、居心地が悪く、退屈だ、これぞ人間存在の根本心境である。山崎文庫の日誌 2021年9月

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【11/28更新】若さを羨望する言葉を耳にする度、つくづく思う。二度と若い頃に戻りたくない。山崎文庫の日誌 2021年11月


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