恋人の前でかぶってはいけないもの。編集Sの日誌 2021年10月

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恋人の前でかぶってはいけないもの。といっても猫、ではない。猫は大いにかぶるがよろしい。恋愛中の、相手を喜ばせたいという純粋な欲求から相手の望む異性の姿を演じることは、自分にとってもエロティックな喜びであるはずなのだから。嘘も大いにつけばよい。相手に嫌われたくないという、相手を傷つけまいという純粋な「真心」からついた嘘--ほかに女(男)がいるとか、貯金がないとか、家事がまったくできないとか、そういうことを隠すような嘘は、交際を重ねていくうちに、どうせすぐにばれます。よしんば、嘘がばれないまま、或いは相手の嘘を見抜けないまま結婚したとしても、良いではないですか。関係が継続しようが別れようが、どっちみち人生というのは苦しみに満ちているんだよ! 私が言いたかったのは、そんなことではありません。私が、このメディアの主な読者である、フェティッシュで野卑な男性に向けて言いたかったのは、恋人の前で、物理的に、頭にかぶってはいけないもののことです。はっきり申し上げましょう。それは、パンティとストッキングです。まだ恋愛の幻想のなかで生き、相手を幻想のフィルターを通して眺め、恋愛を持続させるためにいつも「魅力」という名のガソリンを燃やし続けなければならない恋愛の初期段階において、いくらそれらが好きだからといって、セックスの最中に、相手から脱がせたパンティやストッキングを頭にかぶってはいけません。なぜなら、それらをかぶった姿というのは、変態度120%、人間の尊厳0%の姿なのであって、はっきり言って、百年の恋も冷めるというやつです。相手との心の繋がりが、ソウルメイトといえるほどにまで強い結びつきになっていない限り、パンティやストッキングを頭にかぶることはやめておいたほうが賢明です。ちなみに、パンツのことをパンティと呼び表すのは、唐沢商会『ガラダマ天国』(ぴあ、1997年)にも書いてある通り、フェチが入っている男性の場合がほとんどです。

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「今日はかくも大勢の方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。テレワーク中でしたでしょうに、私のために集まっていただきまして、本当に恐縮しております」
「いえいえ、そんなことないですよ。ちょうど、出かける口実ができて良かったです」
「あの、ここにお邪魔する前に、このあたりを色々と歩き回ってみたんですけれども、ここに来るまでの角を曲がるところに中華料理屋がありますなあ。あそこで普段食べているんですか?」

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夜中に目が覚めると、こうやってぐるぐると頭が回って思考を始めて、稲森和夫の本とか松下幸之助の本とかは面白くないとか、じゃあ面白さとは何だろうとか、面白さの要素はセンスオブワンダーと知的好奇心を満たすことと冷笑的なものだとか、そんな風な分析を始めて、なら、やっぱり稲森和夫とか松下幸之助とかの1日1日を真剣に生きよとか自分の仕事を好きになれとかっていう話は、そりゃためになるのはわかるけれど、そりゃあんた言われなくてもわかってるよというようなことであって、まあそれが日々生きていったり仕事をするうえでの心のガソリンになるという、そういう本を読むことによって心を燃やしてそれで頑張るんだという、そういう効能は認めるけれども、それは本の内容が面白いというのとは違うよなんてなことをグルグルグルグル考えているわけなんだけれども。

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