東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)
6/6(月)
つい最近まで人名の音読みを偉人への敬意表明であり、日本の伝統であると信じてきた。吉本隆明をヨシモトリュウメイ、廣松渉をヒロマツショウ、というように。しかし、これは特殊近代的な通念に過ぎないことを知った(明治大学大学院三浦直人(ナオト)氏の論文「伊藤博文をイトウハクブンと呼ぶは「有職読みにあらず」)。日本では古来より、近年の森喜朗をシンキロウ、武部勤をブブキン等々人名の音読みが蔑称として機能した例も多数存在するという。通念とは恐ろしいものである。これからは人名を正確に読むぞー!!というわけで、本日より舞山秀一(シュウイチではなく、ヒデカズ)さんのカッコいい写真展を開催致します。舞山さんが24年前にトルコで撮影された写真群です。当時出版された写真集も特別価格にて販売致しております!
皆様、ぜひお運びください!飲んだくれてお待ちしておりまーす!
なお初沢君の林忠彦賞受賞写真集、森綾さんの処女短編集も引き続き販売しております。
6/14(火)
散々ぱら性風俗産業にお世話になった私が言うのはどうかと思う。しかし、一体誰が見ず知らずの、好みでもない男とキスさせられ、陰唇を舐められ、その男の陰茎を口にし、膣に受け入れたい(ゴムでも生でも)だろうか?この素朴な問いを忘れるべきではない‼️
性風俗産業に従事する女性をセックスワーカーと呼び、人権や自己実現を云々するのは欺瞞の極みではないか。やはり上野千鶴子の言う通り、「売春業は強姦の商品化だ」。構造的な強制力の産物である。セックスワーカーの主体性、自発性など抑圧の結果(ストックホルム症候群的な)にすぎない。なーんて言うのは無責任だ。じゃあ彼女たちの目先の経済問題はどうするんだ?と問われれば、絶望するほかない!とまあ酔っ払いの火曜放言でした。
皆様、7月2日まで、舞山さんのカッコいいトルコ写真展開催しております。なお、森綾さんの処女短編集、初沢君の林忠彦賞受賞写真集も販売しております。お待ちしてまーす‼️酔っ払い写真は中城さん撮影
6/23(木)
人は正しいものを強くできなかったので、強いものを正しいものとした。いまほどこのパスカルの箴言が響いたことはない。ウィキリークス、ジュリアン・アサンジが英帝から米帝に移送されるというニュースを知ったからだ。
10年ほど前、ジジェクはアサンジと対談した。そこで、アサンジは既存体制を維持するため日常的に存在している、自明かつ不可視化された巨大なテロと戦っている。体制内で情報暴露をするのではなく、体制そのものを根底から破壊する真のテロリストである、と絶賛した。
しかし、我々はもはやあらゆる巨悪の暴露にも耐性ができてしまったのかのようだ。義憤の熱血、叛逆の意欲を根絶やしにされた、シニカルな奴隷である。我々はアサンジが死んで無害化されてから彼を神聖化し、映画化や伝説化して持て囃すのだろう。まさに絶望的だ。というわけで呑むしかない!
皆様、舞山さんのかっこいいトルコの写真展開催中です。
来週7月2日土曜が最終日です。その写真集ALIVE、また森綾さんの処女短編集、初沢君の林忠彦賞受賞写真集も販売しております。お待ちしてまーす。
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選挙の度に、投票を他人に強要するポンコツインテリ左翼や俄かファッションリベラルが湧いて出て、うんざりである。山崎文庫の日誌 2022年7月
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One thought on “【6/26更新】つい最近まで人名の音読みを偉人への敬意表明であり、日本の伝統であると信じてきた。山崎文庫の日誌 2022年6月”
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