【11/28更新】犬も食わない夫婦のヘヴィメタル会話と、その後日談 編集Sの日誌 2021年11月

11/4(木)
【犬も食わない夫婦のヘヴィメタル会話】
俺が乃木坂46の“シンクロニシティ”をかけながら夕食の洗い物をしていると、妻が燃えるゴミをまとめに台所に入ってくる。

俺「俺、この曲が乃木坂の頂点だと思うんだよね。この先、どんなに作品をリリースしようとも、この曲がそのアーティストの最高傑作になるだろうなって予感させる曲、あるでしょう。そういう曲に出合うと、嬉しいけど寂しくもあるんだよね。この曲を超えてくることはもうないんだろうなっていう。乃木坂だと、この曲がそう。80年代のJudas Priestでいうと、“The Sentinel”みたいなね。個人の好き嫌いは別にして、そのバンドの持ち味と、多くのファンが求めるものを勘案して評価した場合、この曲しかないなっていう。Judas Priestみたいなバンドは後追いだけど、バラバラと過去のアルバムを聴いていく過程で、やっぱりそういう予感がするときがあるわけよ」

妻「じゃあIron Maidenは?」

俺「“The Evil That Men Do”だね。個人的には1stから3rdが好きだけど、曲単位でいったらアレ」

妻「いやいや、“Fear Of The Dark”でしょ」

俺「いやいや、あの曲は過去のマテリアルの寄せ集めだから。まあ集大成という意味ではそうかもしれんけど、そんなに良い曲かね。あのアルバムから選ぶなら“Judas Be My Guide”だろう。つーか、あのアルバム自体あんまり好きじゃないんよ。プロデュースが変で、音がペラペラだろ」

妻「“Fear Of The Dark”が良いよ! あと“Aces High”」

俺「出たよ“Aces High”! あの曲そんなに良いかね。Iron Maidenっていうとすぐにあの曲の話する奴、全員嫌い!」

妻「お前さっき『個人の好き嫌いは別にして』って言っただろ! そんなに偏屈だと友達がいなくなるよ」

俺「だから、昔からあんまり友達いないだろ! ところで、80年代のScorpionsだったら“Big City Nights”が最高傑作なのは間違いないよな」

妻「私は“Rhythm Of Love”がいい」

俺「それはない! 良い曲なのは認めるけど、『最高傑作はどれ』っていう問いにそのチョイスは絶対にない! それを挙げるんだったら“Make It Real”とかも選択肢に入ってきちゃうだろ。そんなのありえないだろ」 

妻「私は“Rhythm Of Love”が好きなんだよ!」

11/13(土)
夢の中で誰かが「ティッシュ四天王はエリエール、ネピア、クリネックス、スコッティだ」と教えてくれた。
「ティッシュ四天王」なんて言説があるのかと思ってネット検索したら、あった。
どこかで知らず知らずのうちにインプットされた情報が夢に出たのか、それとも俺の脳が自力で考えたのか。物事を「四天王」「三羽ガラス」で括るのが好きな俺だから、後者もアリエール。

11/28(土)
妻が今月のヘッドラインになっている記事を見たのか知らないが、「私のことをウェブに書くな。怒るよ」と文句を言ってきた。
俺は、「ジャーナリストとして、自分が見聞きしたり体験したりして人に伝えたいと思ったことは、書くなと言われても書かざるをえない。たとえ家のなかのことでもだ。なぜなら俺は職業としてではなく、人としてジャーナリストだからだ。書きたいものを書かないのは、人生の目的を見失ったも同然だ。だから、何を言われても、怒られても俺は書く」と反論した。
だが、身内のことを書くのにあたり、その当人に見られていることを意識すると、やはり筆が鈍る。ジャーナリスト失格だ! しかも、最近は母親までがこのウェブ記事を見ていると告白してきた。山崎文庫の山崎さんではないが、まさしく絶望である!
ところで先日、Witchslaught、DoraidのUに「奥さんとヘヴィメタルの会話するやつ最高だから、ああいうのをもっと書くがいい」と言われた。
実のところ、ネタにできるような会話がそう頻繁にあるわけではないから、たまにしか書けない、と答えた。
代わりといってはなんだが、あの程度の会話だったら俺の脳内で俺Aと俺Bがいつもやっているから、それならいくらでも記事にできると伝えた。例えば、当該記事で俺は「“Aces High”が嫌い」という趣旨の発言をしているが、客観的には“Aces High”がIron Maidenの名曲だとわかっていて、イントロを聴けば胸が熱くなる俺も1~2年に1回くらいはいるのである。そんな風に素直でよそ様とも無難な会話ができちゃう俺Aと、偏屈でひねくれていてこだわりが強い俺Bのせめぎ合いは年中行われている。それならいくらでも書けると。そしたら、「それは別にいらない」と言われた。
妻の人となりとか、普段は表に出ない夫婦の会話が伝える家庭の雰囲気とか、そういうものに需要があるのか。ならば、返す刀ではないがここで大事な告白をしよう。あのヘヴィメタル会話の文章、必ずしも夫婦のやりとりを100%ありのままに伝えたものではないのだ。1割程度、俺の創作が入っている(この文章の裏テーマを成立させるために重要な妻の発言の部分)。つまり、情報の捏造である! まさしくジャーナリスト失格だ! もう飲むしかない!

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