東京・赤坂(港区)で営業するバー「山崎文庫」。その店主である、山崎耕史氏によるFacebookの投稿をまとめた。文章と写真は、山崎氏の許可を得て転載している。当記事の内容は山崎氏個人の見解である。(編集部)
12/8(木)
サッカーなんぞまるで興味がない。負けて、バカ騒ぎが収まって、せいせいした。しかし、敗北に際して、あれだけ騒いだバカ日本人らの反応に辟易した。
勇気をもらった、感動をありがとう、この経験は次に生きる云々。敗北を敗北として受け止められない、敗北を拒否する、まさに「絶対の敗北感」(竹内好)の欠如である。さんざんサッカーを戦争になぞられえて、死闘、激闘などと云々しておいて、負けたらよく頑張りしたね、と慰めあう。気持ち悪いにも程があるわ!!昔のコロンビアみたいに戦犯を撃ち殺すのはやりすぎだ。しかし、せめて敗戦の原因を分析し、諸々責任追及すべきではないか。所詮お遊戯ナショナリズムはこの程度の気概しかないのである。日本のウクライナ化を危惧するのは、杞憂かもしれない。それにしてもサッカーのバカ騒ぎが終了してよかった!さあ、祝杯だー!呑むぞー!
皆様、丸谷嘉久写真展「about moon」(モデルは大谷麻衣さん)開催中です。プリント、写真集も販売しております。ぜひお運びください。お待ちしておりまーす!
尚、森綾さんの処女短編集も引き続き販売しております。
12/11(日)
別れた相手を忘れられない、と悲嘆に暮れる、未練がましい人々がいる。若い頃、私もその一人であった。ああしておけばよかった、こうしておけばよかった、と後悔に明け暮れた。しかし、そんな後悔は所詮オナニーにすぎない。モノローグにすぎない。極めて非歴史的な妄想である。己が後悔している間も、別れた相手は日々刻々と変化していく。新しい相手と蜜月であるかもしれない。そんな相手ともはや没交渉にもかかわらず、神格化、美化した過去の相手を一方的に恋慕するのだから無惨極まりない。かけがえのない一回的な関係性の中で、お互いそう振る舞わざるをえず、破綻すべくして破綻したのである。この過酷な現実を受け止められず、その一回的な関係性を事後的に都合よく再創造して後悔に浸るのは、ご都合主義的ファンタジーである。バカバカしいにも程があるわ。
なーんて、しかし、人間なんてそんな簡単に割り切れない、非合理的なもんじゃないかよ、と言われればそれまでだ。まさに絶望的である。というわけで、今夜はお休みで、呑んだくれてまーす!
皆様、丸谷嘉長さんのカッコいい写真展「アバウトムーン
」(被写体、俳優大谷麻衣さん)クリスマスイブまで開催中です。プリント、写真集も販売しております。尚、森綾さんの処女短編集も販売しております。お待ちしておりまーーーーー!
12/16(金)
今思えば気恥ずかしいが、若い頃、付き合った女性と交際何ヶ月、何年と記念日を祝った。しかし、男と女は何百回SEXし、何千、何万回永遠の愛を誓い合っても、何十年寄り添っても破綻するものは破綻する。定量的な結果の積み重ねなど何ら男女関係の継続性を担保しない。が、人生は有限である。よって、儚い人生では悲しいかな、定量的な集積にすがらざるをえないのではないか。要するに、たかが定量、されど定量である。
とまあ前置き長くなりましたが、
明日12月17日、山崎文庫は7周年を迎えます。これまでお世話になった皆様方に心より感謝申し上げます。まだ7年かと思ったり、もう7年かと思ったり。いつ滅亡するかわかりませんが、その日まで皆様、今後とも宜しくお願い申し上げます。
今月24日まで、丸谷嘉長(まるたによしひさ)さんの写真展「about moon」(被写体、大谷麻衣さん)開催中です。プリント、写真集も販売致しております。尚、森綾さんの処女短編集も引き続き販売中です。お待ちしてまーす。さあ呑むぞー‼️
写真はオープン当初2015年の六本木店内風景。
12/18(日)
我々バカ日本人は敗戦後、米帝庇護下、エセ平和国家気取りで、モラトリアムに安住し続けてきた。お笑い芸人、アイドル、漫画、アニメ、ゲームに耽溺して、まさに非知性化の極み、お気楽なもんである。そんなバカ日本人が今、米帝に煽られて、「反撃能力」を持とうとしている。世論調査によると、バカ国民の7割近い支持があるという。しかし、そもそも反撃する相手を間違ってるだろ!!米帝による本土無差別爆撃、原爆投下の仕返しも未だできていないのに、仮想敵国中国、北朝鮮に反撃する⁉️頓珍漢にも程があるわ。ではこの惨状は、何もかも米帝に洗脳された結果なのか。いや、敗戦後、我々日本人自身が米帝を利用して、モラトリアムを選択し、甘い汁を吸ったつもりだったのである。米帝侵略戦争を全面支持し、経済的に支援し、その恩恵を享受してきた。だから今更日米同盟破棄して、自主自存なんぞ空想に過ぎず、また虫が良すぎるだろう。しかし、いくら何でもこのままウクライナ化してしまっていいわけがない。まあ、米帝商品(iPhone、holliwod、google、amazon等々)の不買運動なんて言っても非現実的だ。まさに絶望的である。とまあ酔っ払いの日曜放言でした。
12/25(日)
年の瀬が迫ると、今年最後の、締めくくりの、何々納めといった言葉が飛び交う。若い頃、それが嫌で仕方なかった。年越しなんて、別に今日が明日に、今週が来週になるだけだろ、ばかばかしい、と。
しかし、年を重ねて、五十近くなった今、考えを改めた。何らか区切りの時を意識することで、己もいつか死ぬという厳然たる事実を再認識させられる。若い頃、私はこの現実から逃亡していた。だからと言って一瞬一瞬を大切に生きようとか死ぬまでにこれだけはやり遂げておきたい、悔いのない云々などと紋切り型の御託を宣べたいわけではない。ただ、己がいつか死滅すること、それがいつ、どのようにか、己自身では制御できない現実に向き合うべきだ、と思えるようになった。なーんていいながらまともに向き合えないから毎夜呑んだくれております!
皆様、丸谷さんのカッコいい写真展、昨日閉幕致しました。沢山のご来店、誠にありがとうございました。丸谷さんありがとうございました!
明日から、また舞山さんご紹介で、原さんの写真展を開催致します。乞うご期待。
尚、森綾さんの処女短編集も引き続き販売しております。
お待ちしておりまーす!
12/28(水)
不倫が明るみに出ると、不倫した方が吊し上げを食らい、された方には安物の同情が寄せられる。しかし、よほど節操のないチャラ男やアバズレはともかく、一般的に男と女の関係はどちらかが不倫したから破綻するのではなく、そもそも崩壊している関係こそが不倫を発生させるのである。こんな単純なことは小学生でもわかる理屈である。それなのに、どうしてこんな原因と結果を取り違える倒錯がまかり通っているのか。不倫が片方の一方的な落度によると全面的に非難を浴び、責任を負わされるのは、あまりに理不尽ではないか!だからと言って、関係の破綻はお互いの責任であると言いたいのではない。男と女の蜜月は奇跡であり、束の間であり、破綻するのは必然である。よって、誰のせいでもない。しかし、まあ、この非情な現実に耐えるのは至難である。誰かのせいにしたくなるのも無理はない。
それでも、あくまで不倫は結果であって、原因ではない‼️週刊文春に教えてやりたいもんだ!なーんて独身アラフィフの年末放言でした。さあ呑むぞーーー!
皆様、年末は30日まで、1月は21日土曜日まで、原枝美さんの写真展「DRAW BEAUTY」開催中です。
尚、引き続き森綾さんの処女短編集も販売しております。
お待ちしてまーす!
■前月
■次月
山崎文庫
〒107-0052
東京都港区赤坂6-13-6 赤坂キャステール
Facebook
One thought on “【12/29更新】定量的な結果の積み重ねなど何ら男女関係の継続性を担保しない。山崎文庫の日誌 2022年12月”
Comments are closed.