日誌(仮):08/2020

08/06(水)
ベランダでタバコを吸っていたら、右耳に「ブゥン」という音が飛び込んできた。タバコを持つ手が強張る。音の方へ目を向けると一匹のアシナガバチが。

瞬間的に子供の頃に刺された記憶がフラッシュバックする。でも、あれはエアガンで巣を銃撃していた俺が100%悪い。悪かった。で、どうする? 殺す? なんだか気がひけるなあ……。とりあえず部屋に逃げ戻り、ネットで検索。

ふむふむ。アシナガバチの行動範囲は巣から半径1〜2キロほど。長い脚は獲物を抑え込むのに使う。蛾や蝶の幼虫を食べてくれるので害虫ではなく、むしろ益虫。性格はおとなしく、「巣にイタズラをしなければ」滅多に刺されることはない。なるほどね!

「おとなしい性格」とわかっただけで、大分心が和らぐ。しばらくして新たにタバコを吸いに行くと、またも出くわした。今度は恐る恐る観察してみたところ、エアコンの室外機から流れ出た水を飲みにきているようだ。

おなかを上下させながら水を飲む姿は、一仕事終えて喉を鳴らしながらビールを飲んでいるよう、長い足を右へ左へ揺らしながら飛ぶ姿は、肩を落としてフラつく酔っ払いみたい……か、かわいい。その後も何度か休憩時間を一緒に過ごした。

さて、これで殺すという選択肢は完全に消えてしまった。昔は刺されたトラウマで、全力で逃げるか殺そうとするかしていたというのにね。人は変わる。こじれた人間関係でもいつかこんな風になる日が来るのかしら? あ、過去に刺されたことのある人が刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険性があるそうですよ!

08/16(日)
俺は呼吸の仕方を間違えているのかもしれない……。

正確には「深呼吸の仕方」。

体の鈍りを感じ始めたので何か運動グッズはないかとAmazonでショッピング。日常で意識せずになんとなく使えるものがいいな、ということでまず買ったのは握力グリップ。これを書いてる間も隙をみてはニギニギしている。

加えて買ったのが、腹式呼吸で腹筋を鍛えるダイエット・グッズ。

似た物では「吹き戻し(ピロピロ)」型のもあって、どちらも力を入れないと息が吐けない仕組みになっている。

自分の場合、腹筋を鍛えるというよりは、通らない声(居酒屋で注文しようと声を出してもスルーされることがやたら多い)がコンプレックスだったので、その矯正に使えるかもと購入。ちなみに俺が買ったやつは200円だった。100均とかにも売ってそうだけど、どうなんだろ。

配達するまで2週間ほど掛かり、届いた時には買ったことを完全に忘れていた。

まあ、とりあえず一回試してみるか。口に咥えて(ボールギャグってこんな感じなのかしら?)鼻から思い切り息を吸って3秒ほど止める。口からゆっくりと吐き出す。フゥーーーーー

……!?

頭が急激に冴えて、心が追いつかない。なにこれ!?

深呼吸は、たまにやってみても効いてんのか、効いてないのかよくわからんようなものだった。しかし、これは確実に効いているぞ。脳に酸素が行き渡ったのか? 一時的な酸欠状態になるのが良いのか?

気分は完全に、ウィル・A・ツェペリに小指で突かれたジョナサン・ジョースター(荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社)。杉本氏も7月の日誌でジョジョ・ネタやってるぞ!)。

恐らく鍵となるのは、舌の位置だ。説明書には「のどを開くため」に所定の場所に舌を当てるようにと書いてある。これ咥えて瞑想とかしたら結構良いんじゃないの? 何回かやってると唾液がスプラッシュするけど。今はティッシュ巻いて使ってます。

そういえば、冒頭の一文と全く同じこと考えていたことがある。それは人生で一番心を病んでいた時期だった。歩き方とかも間違ってるんじゃないかとか考えていたな。今はさすがにそこまでじゃない。

 

08/31(月)
いい酒を飲んだ。

酒。酔うために飲む酒と純粋に味、と雰囲気を楽しむ酒の二種類があって、今日は後者で、女がいたわけでもないのにそうなったのは初めてかも。

夏の締めくくりに飲んだのは、”レディー・キラー”、ロングアイランド・アイスティー。
その口当たりの良さと、緩やかに喉を焼く潤いをじっくりと味わう。気づくと時間に触れたような記憶が残る。

バーテンさんに言わせると「バーテン泣かせ」のお酒なのだそうな(味の違いが出せないんだとか)。

酒。良いな。本音と建前、歳を重ねるにつけ、建前の重さに気づかされる。