【3/26更新】「上機嫌なオヤジ」になれる人、なれない人 編集Sの日誌 2022年3月

3/1(火)

俺「このキョンシーのお人形はパパの宝物だから。○○ちゃん(娘の名前)がおもちゃにしちゃダメだよ?」

娘「こんなのが宝物だなんて、パパはおかしいよ!」

俺「まあ、俺の一番の宝物は、○○ちゃんだけどね! なーんちゃって!」

妻「いや、『なんちゃって』の使いどころがおかしい」

俺「あ、そうか」

娘「パパは頭がおかしいんだよ!」

3/2(水)
ケーススタディとして、ライブハウスにいる2人の男の会話に耳を傾けてみましょう。

A「演者ではなく客として来ると、ライブハウスというのはなんとも居場所のないことよ。いつもポツンとしてしまう」

B「演者であっても同じことよ」

A「俺たちがライブハウスで演奏するようになった20歳前後の頃、朗らかに談笑する上機嫌なオヤジたちを見て、羨ましく思ったものだ。この界隈で長く過ごせば、俺もいつかああいうオヤジになれるのじゃないかと期待した。気がつけば俺たち自身がアラフォーになり、オヤジに片足突っ込んだ状態になった。君は俺の2個上だから、俺よりも早くオヤジの自覚をもったことだろうけど」

B「その通りだ。まったく嫌になる」

A「恐ろしいことに、俺はいまだ上機嫌に談笑するオヤジになっていないばかりか、どうすれば上機嫌に談笑できるのかもわからないのだ。界隈で長くなるにつれて顔見知りは増えてきたものの、何を話せば会話が長続きするのかわからない。見たまえ、あそこで朗らかに談笑する一団を。彼らは一体何を話すことで、かくも盛り上がっているのか!」

B「そんな風に考える時点で、お前は理屈っぽい奴ってことよ。理屈っぽい奴は上機嫌なオヤジにはなれない。俺はもうこの歳になって先が見えてきた。俺がどんなタイプのバンドマンとして、一生を終えるのかってことがな」

A「朗らかに談笑する上機嫌なオヤジではない、いつも仏頂面でポツンと孤立してるバンドマンとして、か」

B「そうだ。お前もな」

A「実は俺、20代前半の頃は孤立しているのが辛かったけど、最近は平気というかむしろ楽になってきたんだよ」

B「だから、そういうタイプのオヤジとして自我が固定してきたのよ。そのまま死ぬまでいくのよ」

――『「上機嫌なオヤジ」になれる人 なれない人』(杉本出版、2022年2月刊)より抜粋

3/8(火)
小学生の頃の俺なんてのは、学校でもらったプリントは引き出しやランドセルの中でグチャグチャになっていて親の手に渡らないことがしょっちゅうだったし、鉛筆を削っておかないから先っぽを爪で剥き剥き書いていたし、書道の道具は筆と硯が墨でガビガビになっていてまともな字なんて書けやしないし、絵具セットは筆が生乾きのまましまわれていてクセーし、体操着は週に1回持ち帰られれば良い方なのでこれまたクセーし、夏場の水着も最悪持ち帰られぬまま再利用されることがあってとにかくクセーし、椅子の下に吊るしてある雑巾は牛乳の腐ったような臭いが染み付いててこの上なくクセえ!
Witchslaught“Black Leather Boots”の歌詞じゃないが、「クセー! クセー! クセー!」ってわけですよ。

まあとにかくクセえ子どもだったわけですが、俺の記憶では男子なんて大体こんなもんだった気がしています。俺は今も昔も冷え性なので違いますが、中には年がら年中裸足で活動する奴なんてのもいて、こいつが家に遊びに来ると足がクセーのなんの。

一方で、女子は比較的キチンとしていて、プリントは綺麗に保管・管理されていて忘れ物も少ないし、鉛筆はいつも凶器のように尖っていたし、書道や図工の道具はいつもピカピカで、悪臭ふんぷんたる体操着や水着を身に着けることもなければ、1年間ずっと持ち帰られない雑巾が椅子に吊るしてあることも(俺が自分に都合よく記憶を改ざんしているのでなければ)あまりなかったように思うのです。

これはつまり大勢でいえば男子はだらしなくて女子はキチンとしている(ことが多い)ということなのだと当時は思っていたのだけど、いま我が家を見ると、妻は幼稚園からの〝おてがみ〟を逐一チェックして抜かりなく持ち物を用意し、幼稚園の行事スケジュールも正確に把握して共有してくれるし、娘が外で遊んで汚れた靴下は洗濯機に放り込む前に別途手洗いして足裏の黒ずみを落としているし、靴や上履きまで毎週手洗いしている。いわく、「女の子の靴下や靴が汚いなんてかわいそう」。驚いたのは先日のことで、クレヨンて使っていると内箱や巻紙の上に色がついてどんどん汚くなるじゃないですか、これを「手が汚れたらかわいそうだから」と言って夜中に拭いてピカピカにしてあげてるんですよ。これには完全にマイッた!

で、今思い当たったのが、俺が小学生の頃にキチンとしているなーと思っていた女子たちってのは、実は本人がキチンとしていたんではなく、親(主に母親か?)が徹底的に娘をキラキラ&ピカピカにプロデュースしていたのではないかということ。

そしてもう一つ思うのが、うちの娘がもしも息子だったら、妻はここまで身の回りのことを甲斐甲斐しく面倒見るだろうか? ということ。まあ、幼稚園の持ち物やスケジュールはさすがに管理すると思うし、俺だって今現在そうするように努めていますけど。

このあたり、女性の皆様はどんな感じなんでしょうかねえ……。

3/11(金)
妻「あんた昨日の夜さあ、干してあった洗濯物、自分のだけ取り込んだでしょ。なんで全員分やらないのよ。自分だけ良ければいいわけ」

俺「違う違う! 『自分のしか取り込まない』という行動は同じでも、その背景にある思想は真逆よ! お互いに夜は疲れ果て、家事をやる気力もない。そうしたなかで、君か僕のどちらかが全部取り込まなきゃいけないことにならないように、『せめて自分のだけでも』ということよ!」

3/13(日)
昨日は埼玉・入間市にある、かつて米軍が居住していたエリアを観光地化した「ジョンソン・タウン」の古書店・逍遥館に行く。

同伴してた親父は、「金がいくらあっても足りん」とか言いながら1万円くらい買う。私は金欠なので、軒先の3冊500円棚から少し摘む。

店内では児童書、漫画から文学評論、自然科学、哲学書などをコーナー別に陳列。サブカルっぽいコーナーで「世紀末倶楽部」(コアマガジン)1〜4巻セットが1万円。持ってないのは4巻だけだからスルー。4000円超の『刑罰変態性欲図譜』(皓星社)などが目につく。

ジョンソン・タウン、広くはない区画内にアメリカ風の家屋を改装した商店がひしめきあっていて、官能的な気分にさせる春の陽気と相まって楽しい散歩だったな。戦争遺産も観光地化し、ポップに消費する呑気な感性、俺は嫌いじゃないけど某氏なら「絶望」するかも(笑)

3/19(土)
はじめにお断りしておくと、夢の話であるうえに少々下品です。

「男根相撲」という競技がある。

2カ所、相対する面に穴の開いた透明の立方体を用いる(テレビのバラエティ番組の、「中身がわからないモノを触らせるドッキリ」に使われる箱が、全面透明になってるやつを想像してください)。1辺は15cmくらい。

競技者である2人の男は、この箱の穴に怒張した男根を挿入する。そして、相手の男根を自分の男根で打ったり擦ったり、敵の攻撃をスカしたりしながら、最終的に自分のモノが萎えたほうが負けである。

俺はこの競技で最強の存在だった。怒張したイチモツは、エロティックな想像や五感的刺激がなくとも萎えることなく、相手を打ち負かし、へし折り、萎えさせることでなお勝利の悦びが熱き血潮となって股間へ送り込まれ、勝てば勝つほどにパンパンに漲る!

得意技は「仏骨突き」(夢の中で俺が名付けた)だ。これは、相手の男根が怒張しすぎて裏面を晒した無防備な状態にあるときに、カリと竿を繋ぐ裏筋の最も繊細な部分をこちらの亀頭で突くもの。たいていは裏筋を断裂せしめ、そのときに男根は怒張している状態だからピューと血が噴き出てドクターストップ必至であり、そうでなくてもたいていの輩は性的絶頂を迎え、射精してしかる後に萎えて俺の勝利である。

男の象徴といえる男根同士の勝負で勝ち続ける、まさに男のなかの男! それがこの俺だ!

という夢で、寝起きの気分は爽快だった!

これは、夢判断的にはどういうことになるのだろうか?

そういえば俺は、今年は年男で、しかも最も運気が強いとされる「五黄の寅」である。
今年はイケるかもしれん。

3/24(木)【感覚の違いが埋まらない】
妻「あんたから借りてた『真・女神転生3』、クリアしたよ」

俺「なんだと……。絶対に挫折すると思ってたのに」

妻「2周目やるかどうか迷ってる。なんか悪魔全書のデータを引き継いで、主人公のレベルに関わらず悪魔を召喚できるようになるっぽいんだよね」

俺「〝強くてニューゲーム〟状態か。そんなのやめとけよ。それよりも面白い縛りプレイのルールを俺が提案しよう。『死んだ仲魔を生き返らせるの禁止』だ。死んだらパーティから強制的に外さなくてはならないという。もちろん、合体の素材にすることもできない」

妻「やだよ。そんなの面白くないじゃん」

俺「面白いよ! メガテンに限らず、モンスターを仲間にして自由にパーティを組める系のゲームでこのルールはお薦めだ。戦闘の緊張感が増すし、普通ならメインのパーティに入れないようなカスモンスターにも活躍のチャンスが与えられるからな。俺は初代ポケモンや、ドラクエ5の馬車入手後なんかもこのルールでプレイし、いずれもクリアしている(ポケモンなんかはそれでもヌルゲーだったから、さらに縛りルールを足した覚えがあるがな)。総力戦になるようなボス戦を何とか乗り切った後、ボロボロになったパーティを立て直す作業がまたタマらんのだよ」

妻「だからさー、私はあんたみたいなマゾゲーマーじゃないんだよ」

俺「マゾとかサドとかの話じゃないんだよ。死は誰にでも平等に訪れるんだよ! メガテン3で何度もゲームオーバーになったろ? その画面に何て書いてあったか覚えてるか。『死の安らぎは 等しく訪れよう 人に非ずとも 悪魔に非ずとも 大いなる意思の導きにて』。至言だな。本来、ゲームのなかにおいても死とは非常に重いものなんだ。Wizardryをやったことがあるならわかるだろ」

妻「だからさー、現実のシビアさはゲームの世界ではいらないんだよ! そんなゲーム面白いか?」

俺「面白いよ!」

妻「面白くないよ!」

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