SITHTER

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2006年にHiroyuki Takano(vocal,guitar)を中心にPsychoToBlackとして結成され、まもなくバンド名をSithterに改名。
2007年に元MONEYI$GODのHyou “noise fucker” Kagawa (guitar)、2009年にTakefumi Matsuda(dr)、2012年にスペースロック・バンドDhidalahのWahei gotoh(bass)が加入し、現ラインナップとなる。
東高円寺二万電圧で不定期に開催されている自主企画『東高円寺 of the Dead』をはじめ都内を中心に精力的なライブ活動を展開しながら、2014年にロシアのドゥーム・レーベルBad Roadから1stフル『Evilfucker』を、2015年には韓国のドゥーム・デスGonguriとのスプリットをリリース。2016年に梵天レコードから2ndアルバム『Chaotic Fiend』をリリース。同年、セルビアのドゥームパンク・バンドHeretic Ritesと日本ツアーを行った。

 
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“Evilfucker” (2014)

1.Death Sonic Cemetary     07:30,
2.Dawn of New Destruction 04:41
3.Taste the Blood 04:11
4.Evilfucker 00:43
5.Isith 02:38
6.My Distortion God 01:57
7.Noisefucker 05:07
8.Smell of Pigs Delight 06:52
9.Children of the Damned 14:27
Total: 48:06

Line Up: Hiroyuki Takano (Vocals, Guitars, CHURCH OF MISERY ),Hyo Kagawa (Guitars), Wahei Gotoh (Bass, DHIDALAH), Takefumi Matsuda (Drums)
Label: Bad Road

Psychotoblack を前身とする 2006 年結成、東京・高円寺を拠点に活動するスラッジ・コア・バンド Sithter の待望のファースト・フル。ベーシストは Dhidalah (ダイダラ)の Gotoh 氏、ギタリストは元 MONEY I$ GODKagawa 氏。 リリース元はロシアの新興 DOOM レーベル、 Bad Road Records“Evilfucker ― 悪魔を犯すやつ”。見事なタイトルだ。“悪魔も見下げ果てたやつら”といえばロブ・ゾンビ監督の映画「デビルズ・リジェクト」( 2005 年)だが、 Sithter はそのさらに上を行く残虐っぷりだ。一部では「日本の Eyehategod」とも呼ばれる彼ら。バンドも Eyehategod からの影響を公言しているし、その影響を聴きとることは容易だが、その音楽性は単なるフォロワーに収まるものではない。ニュース音声のような SE と、悪魔の心音とでも形容したくなる不穏なベースで幕を開ける #1″Death Sonic Cemetary” は、前半こそ正統派スラッジだが、中間から後半部にかけてのドープでシック(≠ Eyehategod – Dopesick )なミニマル・パートこそが Sithter の真骨頂だろう。快楽主義的な音楽を掘り下げて行くと、テクノなどのダンス・ミュージックに辿り着くものだが、 Sithter はあくまでスラッジ、というかロックの範疇で”快楽”を追求しているようだ。Sabbath が発狂したような #2,#3 、ハードコア色の強い #5,#6 、恍惚のスラッジ・トランス #7 、 Bongzilla 風のキャッチーなリフ&グルーヴの #8 とキラー・チューンが続く。
そして最終曲、 #9″Children of The Damned” 。ぶっちゃけ、この 1 曲の為だけでもこのアルバムを手に入れる価値がある。スラッジ、ストーナー、ハードコア、ノイズを沸き立つ地獄の釜で煮詰めた漆黒の音塊。 Sithter の魅力を完璧に抑えた一曲だ。Sithter は非常に精力的にライブ活動を行っている。興味を持たれた方は一度足を運んでみては如何だろう。
地獄を見る度胸があるなら、だが。

 
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“Chaotic Fiend” (2016)

1.Chaotic Fiend 07:19     
2.I Drink Your Blood 03:26     
3.Smoke Demon 06:20     
4.Masque of the Black Death 05:59     
5.Lost Flowers 00:57
6.Empire 02:44     
7.Punisher #13 03:25     
8.Engrave the Misery 07:35     
9.Jerusalem Axe Massacre 16:33     
Total:54:18     

Line Up: Hiroyuki Takano (Vocals, Guitars, CHURCH OF MISERY ),Hyo Kagawa (Guitars), Wahei Gotoh (Bass, DHIDALAH), Takefumi Matsuda (Drums)
Label: Bonten Records
泥濘を這うようなスローパートと狂戦士の如く突進するハードコア・パート、サザン・ロックのグルーヴ、不穏なフィードバック音とEyehategod直系の野蛮なスラッジを踏襲しながらも、ドゥームやノイズ、ダークなサイケデリック要素を含み、主に楽曲後半に顕著な奇抜な展開は、さながら歪な形でスラッジの脱構築を試みているかのような唯一無二の個性を放つ。 巷に氾濫する”洗練”や”進化”というお題目のもとに毒気を抜かれた”スラッジ”とは対極にある堕落と退廃の果てに生まれた奇形のサウンドは、背徳的な恍惚と共に聴く者を泥濘へと引き摺り込むだろう。