Tranquilized Magazine

アメリカ、ペンシルバニア州はフィラデルフィアの五人組が2012年にリリースしたファースト・フル。後に“Eliminator” EPをリリースし、アメリカのTee Pee Recordsと契約。音楽性は正統派Heavy Stonerである。これ、いそうでいなかったタイプではないだろうか。インタビューでは影響を受けたバンドとしてLed ZeppelinやBlack Sabbath、Graveyard、Uncle Acid and Dead Beatsを挙げつつ、Dead Meadowの名も挙げており、音作りの面ではその辺りのアメリカン・ストーナー～オルタナティブ・ロックを手本としているように思える。Fu Manchu風のFuzzyなリフの#1、ドゥーミーな曲調で始まり後半で爆発する“Electric Funeral”タイプの#3、とアルバムの前半は聴き手に考える隙を与えさせずに踊らせしまうようなノリのいい曲が占めている。曲間のヘイ！ヘイ！やストレンジ！ストレンジ！ストレンジ！といったライブ映えしそうな掛け声も聴いていて小気味良い。後半に入ると、浮遊感のあるサイケ、というかまんまDead Meadowな#6やアコースティックの#8などゆったりとした聴かせる曲中心。本作はCDとデジタル音源でのリリースだが、LPを想定した構成なのではないだろうか。A面とB面に分けてタイプの異なる曲を揃えるのはLP時代のアルバムではよくある構成（もちろんCDでもそういう構成のアルバムはいくらでもありますけど）。