Tranquilized Magazine

米オハイオ州クリーヴランドの2人組による1st EP。当初はデジタルのみだったが、CDがSeeing Red Records、ヴィニールがLay Bare Recordingsからリリースされた。＃3はPortisheadのカバー。ストーナーの土臭さをうっすらと纏い、デザートロックの緩慢さとポスト・メタルの重厚感を兼ね備えたギター・リフと浮遊感のある柔和で蟲惑的なウィスパー・ヴォイスは、タイトルの“白魔女”から連想される底知れぬ威厳や婉麗さ、あるいは霧の立ち込める森の冷やかさとそこに射し込まれる陽光の仄かな温もりといったイメージをまさに具現化した音といえよう。ポストメタルに寄ったMammoth Weed Wizard Bastardというか、アートワーク含め白黒反転したChelesea Wolfeのようにも聴こえる。Portishead、Massive Attackのようなトリップホップ由来の歌唱スタイルは新鮮でドゥーム・リスナー以外にもアピールできそうなのだが、ヘヴィなギターと重なると時々ニューメタルっぽくも聴こえ、十代前半をニューメタルに捧げてしまった筆者には如何ともし難いムズ痒さが背中を走る瞬間が何度かありました。